ABC-English-School’s Blog

毎日のレッスンで感じること、これから英語を勉強したい人にお勧めしたいことを書きます

起業のジンクス

 英会話講師の仕事を始めてからずっと、私はブラッシュアップのためにネイティブ講師から英会話レッスンを受けています。国際結婚をしていて日常会話が英語であっても、技術を売る仕事を続けるためには、常にブラッシュアップが必要だと思ったので毎週、上本町までレッスンを受けに行っていました。

これは今も続けていて、教室や先生を変えても今もブラッシュアップレッスンは受けています。

 

 当時、私の先生だったマイクに私が教室を開くことにしたと言ったら、あるジンクスめいたことを言われました。

 

マイク「「3ケ月の壁」を知ってるかい?」

私  「知らない。聞いたこともないけど。」

マイク「ビジネスを始めて、3ケ月で黒字にならなかったら、そのビジネスはつぶれるんだ。もし君の教室が3ケ月たっても利益が出なかったら、閉じた方がいいよ。」

 

なぜ「3ケ月」なのかわかりませんが、マイクは3ケ月以内に黒字にしなければならないと言うのです。実際、マイクの英会話教室は開校翌月には黒字になり、私がレッスンを受けていた当時は120人ぐらいの生徒がいました。

そしてマイクは、「ビジネスにモデルはない。3ケ月で黒字にするんだから、できる限りのことをしろよ!」と言いました。

「そうか・・・・3ケ月で黒字にするには、できる限りのことをしなくちゃいけないんだ・・・・起業を甘く見てはいけないんだ・・・・」と思いました。

 

 教室を開くと決めてからオープンするまで、キャンペーンブースやポスティングなどいろんなことをしましたが、でもレッスン初日に集まった生徒はたった3人でした。キッズクラスが2つあるだけの教室で、今後、これで何とかなるのかと先行きが不安になりました。

1回目のレッスンが終わってから、生徒の皆さんが次々と知り合いの方、ママ友達、生徒の学校の友達、親戚の方などを紹介して下さり、2週間で黒字にすることができました。これは本当にありがたかったです。

 

 ビジネスに「3ケ月の壁」があるのかどうかわかりません。ただ、3ケ月しかないと思うと、その間はスタートダッシュで頑張れます。それに、一人で教室を運営していこうと思うなら、それぐらいの努力と気力は必要だと思います。

それを教えるための言葉だったのかも・・・・と思います。

 

外国人講師と日本人講師の役割

 外国人講師からレッスンを受ける方が良いのか、日本人講師からレッスンを受ける方が良いのか、という質問をよく受けます。

私は生徒のレベル、目的、年齢によると思いますが、総じて小学生の子供、英会話初心者は日本人講師からレッスンを受け、基礎基本を徹底する方が良いと思っています。

外国人講師が悪いというのではありません。あくまでも基礎基本を徹底する段階では、日本人講師の方が良いと思うのです。

 

 理由の一つ目は、きちんと基礎を身に着けるべき段階で、「何となくわかる」レッスンを受ける意味があるのかと思うからです。

アルファベットの書き方、読み方(フォニックス)、発音の仕方、単語の読み方などはきちんと指導を受けるべきで、ただ書けばよい、真似をすればよいというものではありません。そういったことをきちんと教えられて数年の英会話経験があれば、外国人講師からレッスンを受けても「価値あるレッスン」になると思います。

 

では英会話初心者には外国人講師のレッスンは必要ないのかというと、そうではありません。文化的なこと、外国人的な考え方など日本人講師では伝えきれないこともあって、それを教えてくれるのが外国人講師です。

 

できれば日本人講師と外国人講師の両方からレッスンを受け、どちらの良い面にも触れられかつ、レベルに応じた時間配分になるのが良いと思います。とはいえ、一回のレッスンで2人の講師からレッスンを受けられるかというと、なかなかそれは難しいです。どのぐらいの頻度と時間で、日本人講師と外国人講師のレッスンを配分するか・・・私が教室を開く前、何度なく考えました。

そして出した答えが、「基本的なレッスンは日本人講師が行い、月に一回外国人講師がレッスンをする」という、スクールの現在のスタイルです。

 

宿題の仕方(勉強の仕方)、フォニックス、発音の仕方など、基礎基本を徹底させるべきことはわかるように日本語で説明を受け、英語で考えて英語で答えるべきことは外国人講師から英語だけでレッスンを受ける、という方法なら、無理なく確実に英語力を伸ばしていけるのではないか、と思いました。

 

 開校以来、今もこのシステムを続け、生徒の皆さんには他校にはないシステムだと評価されています。

 

余計な授業をする講師

 私は今まで3つの英会話教室で講師をしてきました。いわゆる「大手」と言われる会社ばかりです。ところが講師の管理や指導はほとんどなく、いわば放ったらかし状態になっていたため、中にはとんでもないことをやっている講師がいました。

講師と言っても大学生のアルバイトなどではなく「大人」ですから、常識的に考えておかしいことかどうかわからないかと思うようなことをする人もいて、当時は結構な確率でびっくりするような出来事に遭遇していました。

 ABC English Schoolの現在のシステムはこういったことを参考にしてできていることを知っていただくために、その一端をご紹介します。

 

 一般的に、大手の英会話学校では一年で所定のテキストを終えるようにカリキュラムが組まれています。これは、レッスン内容が教室や講師によって違いがないよう、均一化するためです。生徒は毎年、新しいテキストを購入することになっていて、1月か2月の月謝と一緒に教材費が口座から引き落とされます。

 ある年の4月、前任者から私がクラスを引き継いだ時に生徒の保護者から

「新しいテキストに進む前に、前のテキストを終わって下さい。」という手紙を渡されました。意味が分からず、そのクラスの生徒全員に確認したら、昨年のテキストは半分ほどしか進んでいませんでした。

ではレッスン中に何をしていたのか尋ねたら、英検の勉強をしていたと言うのです。

そのクラスは小4と小5が五人のクラスで、英会話クラスです。なぜ英検の勉強などしていたのかと思いながら本部に苦情が出ていることを報告し、前任者に連絡しました。

 

 前任の講師はすでに退職していましたが、保護者への説明と対応のために事実確認をしなければなりません。前任の講師は、

「小5ぐらいになったら英検の勉強もした方が良いと思った。」

「保護者と相談するようにと生徒には申し伝えた。聞いていないのは生徒がきちんと伝えていないか、保護者が聞いたことを忘れている。」

「他にも英検の勉強をさせている講師はいる。」

などと言いました。

あまりにも幼稚な言い訳に、私はただただびっくりしました。

英会話クラスでは英会話レッスンをするべきであって、生徒は英検の勉強をしに来ているのではありません。それなのに勝手にレッスン内容を変えておいて、生徒や保護者の責任にするのかと思い、腹が立ちました。

 

それで私は、

「英検の勉強をしたら英会話レッスンはできないと保護者にご自身で伝えたんですか?それで保護者は納得されましたか?」

と言うと

「小5ですよ!そんなことぐらい、子供でも親に伝えられるでしょ?

それに英検の勉強をしたら英会話レッスンができないのは当たり前でしょ!」

と言われました。

「そんな「当たり前」が通用するか!」と怒り心頭の私は本部に連絡し、この講師にやり残したテキストのレッスンをさせてくれと言いました。

 

 本部の教室担当者は対処に困り結局、私がやり残したテキストと次のテキストの両方を一年間でやることになりました。

急いでテキストを消化するだけのレッスンをするなど、良いレッスンとは言えません。

前のテキストが終わっていないのであれば次のテキストを買わせないなど、他に対処法もあったはずですが、大手であればあるほど、こういった融通が利きません。

 

 英会話レッスンは週にたった1時間しかないのに、それを英検の勉強に充ててしまうと、会話力は絶対に落ちます。実際、私が引き継いだクラスは、経験年数の割に会話力はありませんでした。

この一件から、ABC English Schoolでは英会話と英検はクラスを分け、レッスンの目的を混同させないようにしています。

英検に英会話レッスンが必要なわけ

 さて、教室を開いて2年目ぐらいから始めた英検クラスですが、2年ほど前まではそれほど生徒数は多くなく、クラスも週に5クラスほどしかありせんでした。

ところが2年ぐらい前から徐々に増え始め、さらに昨年、爆発的に増えました。原因は大学入試改革です。大学入試に英検やTOEICが役立つとあって、急に英検クラスに入会する高校生が増えました。

私どものような民間企業にとっては、大きな追い風だったのですが、逆に問題も増えました。スクールとしての英検合格率を低下させたのです。

 

 2年ぐらい前までは、英検クラスの生徒は学校の授業の復習として、または英検に合格しておいた方が良いかと思ってという程度に考えて授業に来ていました。だからいつまでに何級に合格しなければというノルマのようなものはなく、受験できる時に受験しようという感じで勉強していました。

その頃のスクールの英検合格率は一次試験は約90%、二次試験は100%でした。

なぜこのような高確率だったのかというと、確実に合格できるまで勉強させてから受験させられたからです。

 

 ところが最近、一部の私立中学、私立高校で「中1終了までに4級合格」といったノルマ(学校は目標と言っておられますが・・・・)を課すようになりました。

学校では何の対策もしてくれないのにノルマだけ課されるため、生徒はどのように勉強して良いのかもわからないので、私どものようなスクールに来ます。中には英語の基礎基本すら徹底できていない生徒もいて、そのような生徒は自身の学力に見合わない級を受験させられていました。

しかも期限を切られるため、スクールとしても十分な対策ができず、結果、対策が不十分だった高校生は不合格になりました。

 

 大学入試に外部機関の試験を流用する話は今のところ、先送りになっていますが、私立大学では英検の結果によって入試の英語に加点したり、免除したりする場合があります。そのため、2級か準1級合格は必須になっています。

準1級はなかなかハードルが高く、少しばかり勉強しても歯が立ちません。

特になかなか身につかないのがスピーキング力とリスニング力で、これらは低年齢のうちから英会話レッスンを受けて、備えておくべき力です。

英検クラスの勉強の秘訣②

  ABC English Schoolでは、小1以上のクラスで必ず宿題があります。内容は主に筆記練習です。小1~2年の前半までは単語を書く練習とワークブックが宿題です。

その後、単語テストか日記を書く宿題かのどちらかが増え、小4になる頃には毎週3つの宿題が出ます。

 

 これを聞くとほとんどの人が「小2ぐらいで英語の日記が書けるの?」と言われますが、書けます。大人が書くような難しいものではなく、子供向けの簡単なものですので、スクールの英会話クラスの生徒は全員、日記を書いています。

この経験からやがてエッセイを自力で書けるようになり、小5ぐらいになると短いエッセイなら自分で書けるようになります。

 

 こうやって文字を書くことに慣れ、単語を覚えて書けるようになると、中学校に行ってからも、英検の勉強を始めてからも、すべてがスムーズに進みます。

英検の勉強を始めた途端、単語を覚えるのはなかなか苦労です。また、3級を受験する前になって急にエッセイを書く練習をしてもなかなか進まなくて、大変な思いをします。

それを少しずつ前倒しにして時間のある間に身に着けておけば、後で必ず来る「いざという時」が楽になります。

 

 こういった経験のある生徒が小5で英検の勉強を始めると、半年で1級ずつ勉強を終えていける理由がわかっていただけると思います。

「勉強を終える」とは、無理やりテキストを終わらせるということではなく、生徒自身が「わかった!」と思えるようになり、そして5級の試験が高得点で合格できて初めて言えることです。

「講師の力量」とは、生徒の理解度を把握し、その生徒にふさわしい量とレベルの宿題を出し、「わからない」を「わかった」に変えることだと思っています。

そのため、スクールのクラス編成は5級~3級までは講師1人に対して生徒3人までの少人数制のクラス編成で、個別指導をしています。

英検クラスの勉強の秘訣①

  英検は小学低学年からと言われているそうですが、私はそうは思いませんし、むしろ、低学年では辞めておくことを勧めています。

理由は3つあります。

1. 日本語の文法も理解できていないのに、英語の文法は理解できない

2. 小5から勉強を始めても十分間に合う

3. お金と時間を無駄にしない(させない)

 

 以下は英検の受験級と学習内容の表です。私どものスクールでは、以下の速さで勉強を進めます。

5級ー中1終了レベルー約半年で終了  

4級ー中2終了レベルー約半年で終了 

3級ー中3終了レベルー約半年~8ケ月で終了 

準2級ー高1終了レベル 

2級ー大学入試レベル

 

 この速さで学習できれば、1年半で3級合格まで進みます。中1で準2級クラスに入れたら、受験までの2年ほどで準2級と2級の勉強ができますから、かなり余裕をもって英検対策ができます。そして、この流れで勉強をするのであれば、小5から英検学習を始めても遅くありません。

 

 もちろん、全員がこの速さで勉強を進められるわけではありません。全く英会話も習わずに小5になった方であれば、アルファベットを書く練習から始めなければなりませんので、最初の段階で半年以上、時間がかかります。

とはいえ、E●●ホー●●●●●●●のように一年かけて一級ずつ学習するようなスローペースで勉強を進めません。最初は時間がかかっても、勉強に慣れてくるとスピードアップできますので、ほとんどの方がこのペースに近い速さで進みます。

 

 準2級からは長文読解が始まりますので、なかなか授業が進まなくなりますし、単語を覚える量も格段に増えますので、すべてがペースダウンします。

そのため、英語の勉強に時間がかけられる生徒は早く合格しますが、時間がかけられない生徒はなかなか合格できなくなります。

ここから先は個人差がありますので、どのぐらいの期間、勉強すればとは言えません。

 

 ここにきて皆さんは、どうして E●●ホー●●●●●●● が一年かけて進むものを、ABC English Schoolは半年で学習を進められるのかと疑問を持たれると思います。

はっきり言うと、これが講師の力量の違いであるのと、小5になるまでの英会話経験の違いです。

私どものスクールは、英会話教室でありながら、小さいうちからライティング(筆記)にも力を入れて指導するため、英検の勉強を始めた時に、必要なことがスムーズにできるのです。これは他校ではまずないことだと思います。

 

 具体的には次に説明します。

 

英検クラス成功の秘訣

 スクールのオープン当初は「子ども英会話教室」ということで、中学生までの子供だけを対象にしていました。

でも子供英会話レッスンだけだと7時ぐらいには終わってしまい、夜が長いので、その後の時間を利用して英検クラスも始めました。

私は英会話講師よりも塾講師の方が経験が長く、英検クラスは塾でもう何年もやっていました。

 

 当時、英検はリーディングとリスニングの合計点数で合否が決まったので、ほとんどの英会話教室の先生は「英検はリスニングで点数を稼げ!」と言っていました。そして基礎からきちんと文法を勉強させず、英検に合格するためだけの付け焼刃的な授業をして、生徒を受験させていました。

G●●●やE●●ホー●●●●●●●などはその最たる例で、私が他の講師から4級クラスを引き継ぎ、びっくりしたことが何度もありました。

 

 5級にしろ4級にしろ、合格したのにその級で理解しておくべき文法がわからないなんて、意味のある合格と言えるのでしょうか?

「とりあえず合格する」ということに何の意味がありますか?

 

 英検5級といえば中1終了レベルです。5級の文法がわかっているから5級に合格したのであれば、合格してすぐに4級の勉強が始められます。また、確実に学習の積み重ねもできるので、中学生になってから改めて文法の勉強をしなくても良くなります。

「英検には合格したけど、文法はよくわからない」などは全く無意味な学習です。

 

しかし当時のG●●●では小3、小4ぐらいの生徒が5級クラスにいて、英検受験を勧められていました。小3では国語の文法すら十分理解しているとは言えないのに、英語の文法が理解できるとは思えません。それなのにどうしてこのようなことになっていたのかと言うと、G●●●本部から売り上げをもっと上げるようにと言われるために、スクールのマネージャー(事務員兼教室責任者)が無理に生徒を集めたからでした。

 

マネージャーは生徒の保護者に、「文法がわかると英会話がもっと上達します」「英検5級ぐらいなら、小学校低学年でも理解できますよ」などと言って勧誘していました。

「文法がわかると英会話が上達する」というのは事実です。言い換えると、文法がわからないのに英会話は上達しません。

しかし英語の文法は日本語の文法がわかってからでないと、十分に理解できません。

 

 よく世間では、「小2の子供が英検2級に合格!」などという話を聞くと、気持ちが焦る保護者がおられるようです。しかし英検受験は焦る必要はありません。

英検は運転免許と同じで、必要な時までに必要な級に合格しておけばよいのです。

大学入試に必要なのか、高校入試に必要なのか、英検はいつ必要かは人によって違いますが、私のおすすめは、中3の6月受験で2級に合格することです。

 

受験の時期とタイミングは②で詳しくご説明します。

英会話教室を開いたわけ④

 私は元幼稚園の先生だったせいか、災害が起こった時にどう対処するかをすぐに考えてしまいます。特にスクールの生徒は幼稚園にも行っていないような小さな年齢の子供が多くなると思いましたので、避難通路(出口)は絶対の条件でした。

 

 通常、小さい子供が通う教室は、1Fにあるべきです。エレベーターがあっても2F以上の物件は望ましいとは言えません。

コープ高田の集会室には避難通路(出口)はなかったのですが、裏に池があり、そののり面が教室がある建物ギリギリから始まっているため、盛り土をしたようになっています。窓から下を見ると、地面までは1.5mほどでした。

もしも不審者が教室のドアから入ってきても、窓から飛び降りることができますし、地面が土なので、大人でも捻挫程度で済むだろうと思いました。

また、教室の下はケーキ屋さんとクリーニング屋さんですから、出火するとは考えにくいです。

 

 不審者対策としては、レッスン中は必ず施錠し、ドアの開閉はレッスン開始と終了の時のみとしました。

また、生徒を室外に出す時は必ず講師が先に廊下に出て、保護者の顔を見てから生徒を引き渡すようにすれば、不審者が侵入する可能性は低くなると思いました。

 教室があったコープ高田付近は田舎で、そんなに不審者がぞくぞくいるわけではありません。でもお子さんを預かる仕事なので、安全面には慎重を期して考えました。

 おかげで全く事故はなく、それから10年、コープ高田が閉店するまで集会室を教室として使わせていただきました。